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ギャラリー展示　「プンするポーコ」小林椋展

2016年11月19日～11月29日　「ゲンビどこでも企画公募2015展」“オリエンタルホテル広島賞”受賞者企画展

2016/10/24

オリエンタルホテル広島 1階オリエンタルデザインギャラリーにて

ギャラリー展示
「プンするポーコ」小林椋展

期間　2016年11月19日（土）～11月29日（火）会期中無休・入場無料
時間　10：30～19：30（最終日は17：00まで）
場所　オリエンタルホテル広島 1階オリエンタルデザインギャラリー
協力　広島市現代美術館

「プンするポーコ」小林椋展について

2012年より、オリエンタルデザインギャラリーでは、広島市現代美術館の公募展「ゲンビどこでも企画公募」“オリエンタルホテル広島賞”の副賞として、受賞者の企画展を開催しています。
「プンするポーコ」小林椋展は、「ゲンビどこでも企画公募2015展」“オリエンタルホテル広島賞”を受賞した、小林椋さんの企画展です。

展示によせて

“プン”や“ポーコ”といった言葉には、とりたてて意味はない。それらは所詮、擬音語や擬態語のようなものである。“プン”という言葉を聞いたとき、漫画キャラクターがスネて怒ったときの表現としての“ぷんっ”といったオノマトペを思い浮かべる人もいるかもしれない。それは、ある特定の文化に由来する言葉の発音に対するイメージといえる。そうすると「プンするポーコ」というタイトルからして“プンする”というように“～する”という語によって“プン”が動詞化されていることが窺える。結果として、≪“ポーコ”が何かスネて怒ったような動作≫という様子が導き出されるかもしれない。しかし、“ポーコ”とはいったい何であるかは依然としてハッキリとはしない。

“ブーバ／キキ効果”といわれる言語の発音と視覚的図形の印象との関係性がある。直線からなるトゲトゲした図形と曲線からなるクネクネした図形、どちらが“ブーバ”でどちらが“キキ”ですかと被験者に問う。すると、どの言語圏や文化圏の人でも、大多数がトゲトゲした形を“キキ”、クネクネした形を“ブーバ”であると答えるというもの。この発音に対するイメージは、先に述べた“プン”という語が漫画のオノマトペを連想させるといった、特定の文化に由来するイメージではない。そうした、文化圏を越えた発音に対するイメージは“プン”や“ポーコ”といった意味の不明瞭な語を読み解く有効な手立てかもしれない。
この展示会に展示されている作品群は、簡単にいってしまえば動く音響彫刻のようなものである。しかし、これらの装置は、動きに付随する些細な音に対して無意味なまでに“何か”に対するデザインが施されている。そのデザインは必ずしも“音をたてる”ために必然的に生まれたものではなく、目的が不明瞭なままに、装置にまとわりついている。
目的の見えない（あるいは、そもそもない）形や色、ときには動きに、意味の不明瞭な発音をあててみる。互いを互いの言語で読みながら、見えないものを確定することではなく、絶えず変化する距離のなかで一時的な落とし所やギャップを生成し続ける。それは、物理現象としての聴こえる音だけではない、これらの作品群の捉え方を探ってみるということ。

作家プロフィール

小林椋さん　Muku Kobayashi
1992年生まれ、多摩美術大学大学院修士課程情報デザイン領域在籍。音や聴取をテーマに簡単な動きをする機構や廃材などのモノを組み合わせたインスタレーションの制作を行う。主な展覧会に「TOKYO EXPERIMENTAL FESTIVAL Vol.9」（トーキョーワンダーサイト本郷、2014）、「ゲンビどこでも企画公募2015展」（旧日本銀行広島支店、2015）など。

ギャラリー展示
「プンするポーコ」小林椋展

期間　2016年11月19日（土）～11月29日（火）会期中無休・入場無料
時間　10：30～19：30（最終日は17：00まで）
お問い合わせ
オリエンタルデザインギャラリー　082-240-9463（直）
（受付時間　11：00～19：00）