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格闘技は人と人が本気で向き合えるもの

vol.07 格闘家 神田T800周一

格闘家 神田T800周一 さん

2年ぶりの挑戦、そして王者に

2022年5月1日、大阪で行われた総合格闘技団体『GLADIATOR』 の試合で第6代バンタム級 王者となった神田T800周一さん。

総合格闘技とは『打撃(パンチ、キック)』『投げ技』『組技(抑込技、関節技、絞め技)』など様々な技で競う格闘技です。
2020年、『GLADIATOR』バンタム級に挑戦するも敗退し、今回2年ぶりの挑戦でした。
試合は大接戦で最終ラウンドまで両者一歩も引きさがらず、最後のゴングがなるまで闘い続けました。


「今回の試合。もうしんどかったですね。しんどいのが好きでやってるんですけど、しんどかったですね。
体力がしんどいと心も揺らいでくるんですけど、体力がしんどくて、もう一歩いけないみたいなところもあったんですけど。
(最後まで闘い続けられたのは)家族や応援してくれる人もいて、多くのものを背負っているという気持ちは大きかったです。
前回取れなかったので、悔しい思いはしたくなかったんで、出来る限りやろうと、キツイことは想定してやっぱり練習してきたというか、絶対きつい試合になるだろうと思っていました。」


結果は判定となり、2対1で念願の第6代
『GLADIATOR』バンタム級王座を手に入れました。

強さへの憧れ

今回の試合で総合格闘技26戦目になった神田さん。意外にも総合格闘技を始めたのは大学3年生の時でした。

それまで、広島の皆実高校から陸上部に所属し、大学でも陸上競技を行っていました。
「僕はもともと大学まで陸上競技をやってまして、格闘技らしい格闘技はやってなかったんですけど、見るのはずっと子供の頃から好きだったんです。
高校時代、槍投げやってる人はほとんど居なかったんで、勝手に筋トレして勝手に槍を投げてアウトローだったんですけど、はい、もう当時から結局強くなりたかったんだと思うんですけど。漠然と筋トレをして漠然と強くなりたかったんですよ。」


そんな神田さんが格闘技を始めたきっかけが2011年に起きた東日本大震災でした。
大学在学中、茨城に住んでいた神田さんも被害に遭いました。

「東日本大震災が来て、丁度、就職活動を始める時期だったんですけど、なんかこのまま何となく生きて行くのはどうなんだろう?という思いが自分の中にありまして、やっぱり昔からやりたいと思ってた格闘技をしっかりやろうと思いました。」

柔道やレスリングなどを幼い頃から学んで、総合格闘技に転身してくる選手が多い中、全くかけ離れた競技から総合格闘技を始めた神田さんですが、半年後、アマチュアの大会に挑戦しました。
「練習では結構いけたし、体力でも上回れたのに、試合ではそうはいかなくてあぁ深い世界なんだな。でも世界は広いってことだよな。(格闘技の)広さ、深さに興味が惹かれていった感じです。」
試合で負けたことでさらに総合格闘技のへの想い、そして強さへの憧れ、強い者と闘いたいとう気持ちが増しました。
大学卒業と同時にプロになり、23歳の時、3か月間アメリカのカルフォルニアの総合格闘技の名門に武者修行に行きました。そこで、世界チャンピオンと練習させてもらい、負けはしたものの、手ごたえを感じたそうです。さらに、世界中から自分と同じように総合格闘技を目指している人たちと触れ合い、自分の目指しているものは間違いじゃないと確信したそうです。


「格闘技とは一番リアルなもの。人間に触れあって、競技で言えば競い合うことですし、練習や遊びでやるにしても人と触れ合うことなので、これ以上人と向き合えることはないんじゃないかなと思っています。そこから学ぶことが、得るものが多いんじゃないかなと思っています。勝っても負けても得るものは多いですが、学びという面でいうと負けた方大きいかなと。」

高い山に登り続けたい

アメリカの武者修行の翌年2015年、総合格闘技団体『PANCRASE』ネオブラッド・トーナメント バンタム級優勝。
2018年、結婚を機に、故郷の安芸区に生活の拠点を移し、パラエストラ広島に所属、さらに2年後、総合格闘技の練習時間を充実させたいと、これまで1時間かかっていた住居拠点をジムまで10分の場所に引っ越しました。
家族の支えもあり、職場にも恵まれ、総合格闘技のために環境を整え挑んだ試合で見事勝利を収めた神田さんですがまだまだ、闘い続けると言います。


「僕は格闘技を結構、登山に例えるんですけど、ちょっとでも高い山に登りたいという気持ちがあるので。自分を今までで一番高くするために、高い相手に登っていくようなイメージでいます。
まだまだ僕は登っていく途中なので、ずっと挑戦をしていこうと思いますし、海外で戦ってみたいです。違う大陸の高い山に登ってみたいなという気持ちですね。
好きな格闘技を通して、違う国の文化じゃないですけど、そういったものに触れてみたいな。
あと、国内にも『RIZIN』というメジャー団体がありますので、国内でやるとやっぱり皆さんの目に付きやすいですし、応援してくださっている方も喜んでくださると思うので。
国内の最高峰を目指したいという気持ちもあります。」





取材を終えて

私の個人的なイメージですが、格闘家と聞くと、いかにも強さを前面に押し出した雰囲気の男性をイメージしていました。
しかし、実際にお会いした神田T800周一さんは礼儀正しく、人を惹きつける魅力のある男性でした。
格闘技についてお話を伺うときの瞳は真っすぐで熱いものを感じました。
神田T800周一さんは自身のネットラジオ(スタンドFM)の配信に力を入れています。
格闘技の事、自分の考えていることを深く知ってもらいたいと思っているそうです。
そのラジオを聞いても格闘技に対しての情熱を感じます。
そして、格闘技を通して社会に貢献したいとも話されました。
その一つ、キッズ教室の取材に伺った時、相撲の試合をしていました。年齢、体格差も関係なく、目に見えて勝敗の分かる子同士も闘っていましたが、強い相手と闘う子も決して諦めていませんでした。勝つことよりも負けることで、自分で考え、次に挑む前向きさを感じました。
教室終了後には仲間同士で握手をし合います。自分が練習できるのも、仲間や周りの人々があってこそ。との教え、人に対しての感謝と敬意を忘れないように。
その教えは、神田さん自身の強さの一つなのかもしれません。そして、より強い相手と競い合い自分自身を高めていきたいという強い信念が人を惹きつける魅力なのではないでしょうか。

『まいぷれ広島』では神田T800周一さんを応援してます。
今後も神田T800周一さんに注目しています!!


【格闘家 神田T800周一】
1990年12月24日生まれ 広島市安芸区出身
 広島県立皆実高校の陸上部で槍投げを始める。
 筑波大学体育専門学群に進学
 大学3年生の時、総合格闘技を始め、卒業と同時にプロデビューをする。
 2015年、『PANCRASE』ネオブラッド・トーナメント バンタム級優勝(新人王)
 2018年 広島市に生活拠点を移し、『パラエストラ広島』に所属
 2022年 第6代『GLADIATOR』  バンタム級王者
 
stand.fm『 格闘家・神田T800周一の手数より口数』
https://stand.fm/channels/61c527fb4ef64e6b6f4fd7b7

神田T800周一 インスタグラム
https://www.instagram.com/ktc_mma/?hl=ja

2022/06/21

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